残業代とは

就業規則について

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労働者に周知を図っていない就業規則は無効

1、就業規則の作成(変更)手続としては,労働者代表の意見聴取,労働基準監督署への届出及び労働者への周知が必要です。

2、多数説は,労働者が知り得る状態におかれていない就業規則の効力を否定しています。

労働基準監督署への届出

使用者は,就業規則に労働者側の意見書を添えて,事業所の所在地を管轄する労働基準監督署に届け出なければなりません。意見書には,労働者側の代表者の署名又は記名押印が必要です(施行規則第49条第2項)

労働者への周知

作成・変更され,労働者代表の意見聴取を経て労働基準監督署に届出がされた就業規則は,労働者に周知させなければなりません。
周知の方法は,次のいずれかの方法によることと定められています(労基法施行規則第52条の2)。

1、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し,又は備え付けること。

2、書面を労働者に交付すること。

3、磁気テープ・磁気ディスク等に記録し,かつ,各作業場に労働者がその記録の内容を常時確認できる機器を設置すること。

手続に欠ける就業規則の効力

これらの手続義務に違反する就業規則は,果たして有効なのでしょうか。言い換えれば,就業規則の効力は,どの手続を踏んだ段階で発生するのでしょうか。

判例は,一般に,労働者代表の意見聴取,労基署への届出については,これを欠いても就業規則は有効としていますが,周知されていない就業規則は無効と解しています。

(なお,周知の方法は労基署所定の方法に限りません。何らかの方法で周知されておればよいとされています)。最高裁も最近の判決で,周知手続を経てはじめて就業規則の効力は発生すると判示しました。(フジ興産事件・最二小平成15年10月10日)

使用者には,労働基準法や同法に基づく省令の要旨などとともに,就業規則を労働者に周知させる義務が課されています。

 

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