解雇とは

試用期間中の解雇

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試用期間中でも勝手な解雇は無効

1、試用期間中でも,労働者を解雇するには,解雇に値する客観的に合理的な理由が必要です。

2、試用期間中の解雇は通常の解雇よりも広い範囲で自由が認められていますが,まったく自由というわけ  ではなく,解雇に準じた制限を受けています。

3、試用期間中でも,14日を超えて雇用されている場合は,労働基準法に基づく解雇予告が必要です。

解約権留保付

試用期間中の解雇については,試用期間が労働契約ではあるが「解約権留保付」のものであるということが関係してきます。

その意味は,先の最高裁判決によれば,このように留保された解約権に基づく解雇は,通常の解雇よりも広い範囲で解雇の自由が認められるというところにあります。

本採用後の労働者なら解雇できない事由でも,試用期間中の労働者なら解雇できるという場合があるというのです。大雑把な評価しかできないとはいえ,試用期間が採用した労働者の能力・適性などを評価するテスト期間であることは完全には否定できませんから,この間は,解雇に通常の場合よりも自由を認める必要があるというのがその理由です。

しかし,試用期間は既に本採用であるというのが基本ですから,最高裁判決の判示しているように,留保された解約権に基づく解雇も「客観的に合理的な理由が存し,社会通念上相当として是認され得る場合にのみ許される」のであって,まったく自由ということはありません。能力や適性の不足に関して具体的に根拠を示す必要があり,また,それが解雇事由として妥当なものかどうかは上記の基準に照らして客観的に判断されます。

なお,労働者を解雇する場合には原則として解雇予告制度の適用がありますが(労基法第20条,第21条),試用期間中の労働者に関しては,「14日を超えて引き続き使用されるに至った場合」に初めて同制度の適用を受けることになります(労基法第21条)

14日を超えて雇用されている場合

解雇の理由が就業規則等の規定に基づいたものであるかどうか,また,上記の判例基準に合うものであるかどうかを確認してください。

また,14日を超えて雇用されている場合の即時解雇ということになれば,解雇予告手当の請求もできます。

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