セクハラとは

セクハラの判例集6

投稿日:

大阪(大阪市立中学校)事件 最高裁 平成11.6.11、

大阪高裁 平成.10.12.22、大阪地裁 平成.9.9.25

概要

被告:男性教諭
原告:女性教諭

従来、国際理解教育は被告男性教諭が中心となって行われていたが、原告女性教諭が赴任してからは、原告が国際交流委員会の主任担当者に指名され、国際理解教育は原告が中心となって行われるようになった。

これに対し、嫌悪感を抱くようになった被告は、職員室で「彼女が生徒に厳しく当たっているのは、性的に不満があるからだ」と言ったり、新年会の席で「彼女に男さえいれば、性的に満たされるのに」等と述べた。

いじめ、嫌がらせであり、人格権を侵害するとして、慰謝料 100万円を請求。

判決

●大阪地裁

慰謝料50万円を認容

原告の主張が事実であると認定された。

被告側控訴

●大阪高裁

慰謝料30万円を認容

被告の発言が性的侮辱として原告の人格権を侵害していることは認定したが、原審が違法と認定した部分を一部限定し、慰謝料を減額。

被告側上告

●最高裁

上告棄却、原告側勝訴(慰謝料 30万円)

:出典・参考セクシュアル・ハラスメント法律相談ガイドブック(第二東京弁護士会)

大阪セクハラ(歯材販売会社)事件 大阪地裁 平成10.10.30

概要

被告:社長 会社
原告:中国人女性(英語翻訳・貿易担当)

中国人女性である原告を雇用する被告会社の社長が、出張先のホテルで原告を部屋に呼び寄せ、原告の面前で下着を見せたり、原告をベッドに誘うなどの行為を行った。

また、被告社長は、顧客の面前で「昨晩あなたはどうやって私の部屋に入ってきましたか」などとの発言をした。

252万2,755円を請求(未払賃金102万2,755円+慰謝料150万円)

判決

慰謝料10万円認容(ほかに、未払賃金81万7,422円を認めた)

下着を見せた行為や発言等は、原告にことさらに性的不快感を与えることを意図したものではなく、不法行為を構成しない。

ホテルの一室で二人きりの状況で、被告が原告をベッドに誘う行為は、雇用契約上の地位を利用して性的関係を求めたものであり、不法行為にあたる。

被告の不法行為は、社長としても地位を利用し、職務に関連してなされたものである。

出典・参考:管理職のためのセクハラ講座 あなたの理解で大丈夫ですか?(ぎょうせい 金子雅臣 著)、セクシュアル・ハラスメント法律相談ガイドブック(第二東京弁護士会)、職場のトラブル解決の手引き-個別労働関係紛争判例集-(日本労働研究機構編)

大阪府知事セクシャルハラスメント事件  大阪地裁 平成.11.12.13

概要

被告:大阪府知事
原告:女子大生(21歳)

知事は、

(1)選挙運動用自動車の中で、原告の下腹部、太腿、胸及び下着に手を入れ陰部を触り、

(2)原告が知事を強制わいせつ罪で告発したことを虚偽申告罪に該当するとして逆告訴し、記者会見などで原告の行為は選挙妨害であると述べ

(3)第1回口頭弁論後の記者会見で、原告の主張が「真っ赤な嘘」であり、「悪質な選挙妨害」であるなどと述べ、さらに大阪府議会の本会議及び各種委員会においても同様の趣旨のことを述べた。

請求額 1,000万円

(わいせつ行為並びに虚偽告訴罪で虚偽告訴されたこと及び記者会見で原告の行為が選挙妨害であると述べたことによる名誉毀損に対する慰謝料200万円、弁護士費用300万円)(記者会見等での名誉毀損行為に対する慰謝料)

判決

原告勝訴 1,100万円を認容

(わいせつ行為の慰謝料200万円、虚偽申告による名誉毀損の慰謝料500万円、第1回口頭弁論後の記者会見等における名誉毀損の慰謝料300万円、弁護士費用100万円)

知事のわいせつ行為は、執拗かつ悪質で、計画性もうかがわれ、行為後も反省せず、海外ブランド品の交付により解決しようとするなど、原告の人格を蔑視しており、強く非難されるべきである。

*虚偽申告罪等による名誉毀損について

自らわいせつ行為をしながら、原告を虚偽告訴罪で告訴して罪に陥れようとしたことはきわめて特異かつ異例な違法性の強い行為であり、しかも意図的に虚偽内容の記者会見をして全国に報道させ、原告を大衆の好奇の目にさらしたことはきわめて異常で、原告が受けた精神的苦痛は大きい。

*第1回口頭弁論後の記者会見等における名誉毀損について

請求原因について沈黙しながら、同日行われた記者会見では態度を一変させ、原告の主張を「真っ赤な嘘」「明らかな選挙妨害」「でっちあげ」等と発言し、原告に反論の機会がない記者会見の場等で、一方的に原告を誹謗した行為は、著しく社会常識を逸脱し、民事訴訟による紛争解決を求めた原告の態度を翻弄している。知事は原告を侮辱・非難する発言を繰り返し、その発言は連日、全国に報道された。

また、同事件に関する強制わいせつ事件については、大阪地裁(平成12.8.10)において、懲役1年6ヶ月、執行猶予3年の判決が下された。被告、検察側とも控訴せず、確定。

出典・参考:セクシュアル・ハラスメント法律相談ガイドブック(第二東京弁護士会)

医師セクハラ事件 大阪地裁堺支部 平成11.10.6

概要

開業医が、寝たきりの患者に対し、治療の際、胸などを執拗に触った。

判決

慰謝料600万円が認容。

出典・参考:女性情報
国立療養所青野原病院職員セクハラ事件 大阪高裁 平成10.6.11 神戸地裁 平成9.7.29

概要

洗濯場に勤務する女子賃金職員が、職員を指揮する立場にある洗濯長(男性)に無理矢理胸を揉まれたり、仕事から外されたなどの訴え。

判決

地位を利用した嫌がらせであり、人格権の侵害であるとして、120万円の支払が命じられた。また、国に対しても使用者責任を認め、同額の損害賠償支払命令が下された。

出典・参考:職員からの相談実務のてびき(日本人事行政研究所 職員相談研究会監修)

京都セクハラ(呉服販売会社)事件 京都地裁 平成9.4.17

概要

被告:社長 専務 会社

被告会社の社員は、ビデオカメラで女子更衣室を密かに撮影していた。

これに対し、被告会社は、カメラの向きを逆さにするにとどまったため、再び同様の撮影が続けられた。最終的に会社は、この社員を懲戒解雇とした。

原告は、この件以来、会社の雰囲気が悪くなったと感じており、朝礼の場で会社を好きになれないと発言をした。被告専務は、翌日の朝礼において、原告がカメラを設置した社員と男女関係にあるかのような発言をし、原告に勤務を続けるかどうか一日休んで考えてくるように発言した。

これ以降、同僚が原告を避けるようになり、原告は職場にいづらくなり退職した。

被害者は、社長・専務・会社を相手取って、557万3,879円(逸失利益 207万3,879円=賃金と失業給付との差額469日分、慰謝料 300万円、弁護士費用 50万円)、また、会社に対し別途、64万5,000円(不当利得・退職金残金)を請求した。

判決

会社に対して、慰謝料214万円が認容

専務に対して、194万5,945円認容(逸失利益 79万5,945円=180日分、慰謝料100万円、弁護士費用 15万円)

被告専務は、不用意な発言を差し控え、また、撤回し、謝罪するなどの義務があるにもかかわらず、発言により原告の退職を招いており、損害賠償責任を負う。

会社には、労働者との契約上、労働者のプライバシーが侵害されないよう、また労働者が意に反して退職することがないように職場環境を整備する義務があるにもかかわらず、これを怠ったとし、損害賠償責任を認めた。

また、ビデオの撮影に対して何の措置も執らず、再び撮影される状態を招いており、債務不履行による損害賠償責任を負う。

さらに、取締役である被告専務の発言につき損害を賠償する責任を負い、さらに、専務の発言に対して何の措置もとらなかったため、原告は退職しているから、会社は原告の退職による損害を賠償する責めを負う。

ただし、代表取締役個人に対する請求は棄却された。

出典・参考:管理職のためのセクハラ講座 あなたの理解で大丈夫ですか?(ぎょうせい 金子雅臣 著)、セクシュアル・ハラスメント法律相談ガイドブック(第二東京弁護士会)

京都大学セクハラ事件 京都地裁 平成9.3.27

概要

被告:新聞に掲載された手記の作成者
原告:セクハラ行為を行ったと指摘された大学の元教授

京都新聞に「某研究センターは勤務環境改善委員会を設置し、X元教授のセクシャルハラスメントといわれるものについての調査を行った。そして3件の比較的軽微なセクハラの事実が出てきたのだが、その過程で浮かび上がってきたのが、1人の女性のレイプに始まるすさまじいまでのセクハラの証言であった」等の手記が掲載された。

この手記の部分は真実ではなく名誉を毀損しているとして、手記の作成者に対し、元教授が1,000万円の慰謝料請求をした。

判決

文書に真実性ありとして棄却された。他の男性教員の訴えも同旨で敗訴した。

原告側の全面敗訴(事実の真実性を認める)

「強姦の被害者が意に反した性交渉を持った惨めさ、恥ずかしさ、そして自らの非を責められることを恐れ、告発しないことも決して少なくないのが実情であって、自分で悩み、誰にも相談できないなかで葛藤する症例(いわゆるレイプ・トラウマ・シンドローム等)をもつと指摘されるところであるから、元教授と性交渉を持った直後あるいは研究室を退職した直後に被害者が元教授を告発しなかったことをもって、性的関係がその意に反したものではなかったということはできない」等の理由から、裁判所は、「レイプに始まるすさまじいセクハラ」等の事実の真実性を認定した。

出典・参考:判例時報1634号、セクシュアル・ハラスメント法律相談ガイドブック(第二東京弁護士会)

労働組合セクハラ事件 大津地裁 平成8.10.14

概要

原告は、被告組合は雇用における女性差別を行っていること、被告事務局長が、女性職員に対して、お茶くみ等私用を命じたり、副事務局長が職場において日常的に女性を差別する発言を繰り返していたことは環境型セクシャルハラスメントに当たること、被告副事務局長が原告に暴力行為を働いたこと、嫌がらせにより退職に追い込まれたこと、被告らを相手方として調停申立をしたところ、機関誌において、原告が誹謗中傷されたことを主張し、提訴した。

判決

労組役員の職員に対する暴行に関し、慰謝料30万円。機関誌の関連記事が名誉毀損として20万円が認容。ただし、セクハラの事実については、認められなかった。

出典・参考:判例体系CD-ROM

日本銀行事件 京都地裁 平成.13.3.22

概要

被告:銀行支店長及び日本銀行
原告:行員

被告支店長は原告をホテルの会員制クラブに誘い、原告にのしかかるようにして無理矢理キスしたり胸を触ったほか、その後も行内の電子メールや内線電話で原告を執拗に食事に誘うなどのセクシャルハラスメントを行った。

原告はこれによる精神的ストレスによって、嘔吐、難聴などの身体的変調をきたして通院治療に1年間を要し、退職せざるをえなくなった。

2,123万3,860円を請求(慰謝料1,000万円、逸失利益933万3,860円、弁護士費用190万円)

判決

原告勝訴 676万8,960円(慰謝料150万円、逸失利益466万8,960円、弁護士費用60万円)

支店長の行為は職場における上下関係を背景にしたセクシャルハラスメントにあたる。

原告の人事も容易に左右できる最高権力者である被告支店長の行為に対し、部下である原告が断固たる拒絶行為に出ることができなかった状況はやむを得ない。

支店長は、勤務時間内に支店長室に原告を呼びだして食事の日程を決めたり、支店長の立場でしか利用できないクラブに招いたりしていることから、これらの行為は支店長としての職務と密接に関連している。

日本銀行側の対応も、事前事後とも十分ではなく、支店長の行為と退職との間には相当因果関係があり、退職後も通院治療を要したことから、退職後1年間は就職できなかったものと認定できる。

出典・参考:セクシュアル・ハラスメント法律相談ガイドブック(第二東京弁護士会)

奈良社団法人事件 奈良地裁 平成7.9.6

概要

被告:理事長
原告:建設関連団体に勤めていた女性

被告は講演会に行った帰りの電車内で原告の太ももを触ったり、手を握って自分の頬にあてたりした。また、別荘への同行を命じ、二人だけのときに「養女になってほしい」などといいながら、原告の胸や腰に触り、頬ずりをして抱き上げたりした。

さらに、勤務中に応接室に呼び出し「なぜ嫌がるのか」「まだ処女なのか」「性欲が出たときにはどうしているのか」などと発言した。

拒絶したところ、原告は理事長から個人的な写真の整理や、作文の提出といった嫌がらせをされ、退職を余儀なくされた。

慰謝料 300万円、逸失利益 920万円、弁護士費用 60万円を請求。

判決

110万円認容(慰謝料 100万円、弁護士費用 10万円)

被告の行為は、原告の明確な拒絶にあっていないとはいえ、その意思に反するものとして不法行為を構成することは明らかである。

勤務時間中の言辞も、その内容、職場での両者の関係、性差、年齢差等に照らすと、原告に著しい不快感を抱かせるものとして不法行為を構成する。

ただし、その後、原告に与えられた仕事には報復的色彩はなく、理事長の行為によって退職を余儀なくされたということはできないとして、逸失利益の請求は否定した。

出典・参考:管理職のためのセクハラ講座 あなたの理解で大丈夫ですか?(ぎょうせい 金子雅臣 著)、セクシュアル・ハラスメント法律相談ガイドブック(第二東京弁護士会)

兵庫(国立病院)事件 神戸地裁 平成9.7.29

概要

被告:職場長 国
原告:国立病院の洗濯係として勤務する職員(日々雇用)

被告は原告の仕事中に「胸を触らせてくれ」など、わいせつな発言をしたり、実際に身体を触るなどの行為を繰り返していた。さらに、乾燥室の中へ引き入れようとして拒絶されて以来、口をきかず仕事の指示も与えなくなった。

原告は病院の事務長補佐に苦情を申し出たが、事態は改善されなかった。

この行為に対し、慰謝料 300万円、弁護士費用40万円を請求。

判決

120万円認容(慰謝料 100万円、弁護士費用 20万円)

被告の行為は、異性の部下を性的行為の対象として扱い、職務上での上下関係を利用して意に沿わせようとする点で原告に人格権を著しく侵害するものである。

被告の行為は、勤務時間内に、職場の上司である立場から、職務行為を契機としてなされたものであるから、外形上国の事業の執行につき行われたものと、認められる。

国は、職場長に対し、口頭注意の措置を講じたほか、特別の措置を取っておらず、職場環境が改善されていない以上、職場長に対し相当の注意をしたとはいえず、使用者責任を免れない。

出典・参考:管理職のためのセクハラ講座 あなたの理解で大丈夫ですか?(ぎょうせい 金子雅臣 著)、セクシュアル・ハラスメント法律相談ガイドブック(第二東京弁護士会)

三重セクハラ事件 津地裁 平成9.11.5

概要

被告:副主任準看護士 病院経営者(連合会)
原告:精神科の男子病棟に勤務する看護婦2名

被告は原告らと病棟内ですれ違ったときや、深夜勤務中に休憩室で二人きりになったとき、胸・臀部・大腿部に触り、卑猥な言葉を投げかけるなどした。

原告らは被告連合会に対し、勤務体制の変更や被告の異動などを訴えたが聞き入れられず、反対に原告らが他病棟に配転された。

加害者は懲戒処分となり、副主任の職を解かれた。

原告は、加害者の行為は業務に密接に関連しているとして、院長ら管理監督者に対しても使用者責任を求めた。

330万円(慰謝料 300万円、弁護士費用 30万円)を請求。

判決

110万円認容(各55万円、慰謝料 50万円+弁護士費用 5万円)

被告の行為はいわゆる環境型セクシャルハラスメントにあたり、不法行為に該当すると認められる。

使用者は被用者に対し、働きやすい職場環境を保つように配慮すべき義務を負っているが、被告連合会は特段の注意をせず、その義務を怠ったものと認められる。

出典・参考:管理職のためのセクハラ講座 あなたの理解で大丈夫ですか?(ぎょうせい 金子雅臣 著)、セクシュアル・ハラスメント法律相談ガイドブック(第二東京弁護士会)、職場のトラブル解決の手引き-個別労働関係紛争判例集-(日本労働研究機構編)

三重大学助教授コンパセクハラ事件 名古屋高裁 平成12.1.26 津地裁 平成10.10.15

概要

美術科絵画専攻生を主要メンバーとするパーティーが開かれ、二次会のカラオケボックスにおいて被告が原告の手を強く引いたため、原告はソファーの上にうつ伏せに倒れたところ、被告は原告が倒れた方向を向いて、左足を床につけたまま、原告の腰のあたりに跨って、上下に2、3回はねる動作をし、馬乗りした。

判決

第一審

不法行為と認定し、33万円の賠償。ただし、セクハラとは認定されなかった。

第二審

助教授の地位を利用したと認定。90万円に増額。

出典・参考:女性情報

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