目次
- 1 パワハラを行う上司はこうだ!
- 2 「数字を出せ」という業績指向型の上司
- 3 自分の「成功体験」を自慢する自己完結型の上司
- 4 「君に任せた」という責任回避型の上司
- 5 「責任は俺が取る」といいながら責任を負わないタテマエ型の上司
- 6 夢や理想を追う現実逃避型の上司
- 7 プライバシーを聞きたがる人間関係依存型の上司
- 8 特定の部下にばかり「期待しているぞ」と言うエコヒイキ型の上司
- 9 「成功は自分のおかげ、失敗は部下のせい」という堕落権力型の上司
- 10 部下より長時間働くワーカーホリック型の上司
- 11 仕事を成し遂げたいという動機のみで行動する達成動機型の上司
- 12 ポストと人格を混同するパワハラ・ボスハラ型の上司
パワハラを行う上司はこうだ!
パワハラの可能性がある上司のパターン
「数字を出せ」という業績指向型の上司
「何でもいいから数字を出せ」という上司は、部下の目には「どうしても数字を出して、自分の部署がよその部署より上だということを示したいのだろう」と映る。
また、人間味や人間性といった感情的なものを無視する上司と受け止められる。
極端な例では、部下を人間ではなく、単なる数字として扱う上司もいる。減給や降格、解雇などをちらつかせれば、部下は結果を出すものだと思い込んでいる。
数字に表れない部下の貢献については、評価しない。
自分の「成功体験」を自慢する自己完結型の上司
悦に入っているのは本人のみで、部下の心はしらけきっている。
自分の自慢話をして、武勇伝を語りたがるのは、「部下から注目されたい、尊敬されたい」という自己顕示欲の表れである。
失敗談を披露する方が、部下の気持ちを捕まえやすい。
「君に任せた」という責任回避型の上司
仕事を任せたという上司は得てして、仕事の本筋とは関係のないところで細かなチェックを入れがちである。
さらに、こうした発言をする上司に限って、肝心なときに部下を見殺しにすることがある。
「責任は俺が取る」といいながら責任を負わないタテマエ型の上司
偉そうに「責任は俺が取るから思うようにやれ」というが、実はそうは思ってなく、ただ言っているただ。
そういう上司は多く、すでに部下は、上司が口で言っていることと本心が違うことを見抜いている。
本心ならば、まず上司自らがチャレンジして見せることが大切。
減点主義の強い日本企業は、ある意味やり直しのきかないシステムになっていて、部下としてはなかなか思い切った行動をとれない。
上司が責任を取って辞めたとしても、残った部下は干されるだけである。
夢や理想を追う現実逃避型の上司
常に現実と直面させられている部下は、目標に至る具体的な道を示してくれない上司にはついていけない。
最悪の場合は、上司の夢が部下にとってのストレスにもなりかねない。
プライバシーを聞きたがる人間関係依存型の上司
「子どもは元気か」などと声をかける。こうした上司は「家族ぐるみ」的な意識を引きずり、部下との密接な人間関係を好む。
最近はプライバシーに踏み込まれたくない部下も増えている。そういう部下にとっては単にわずらわしいだけの上司でしかない。
プライベートでは誰からも相手にされないために、いちばん言うことを聞く部下をつかまえては話し相手にさせる上司も少なくない。
特定の部下にばかり「期待しているぞ」と言うエコヒイキ型の上司
特定の気にいっている部下には甘くすぐひいきをする。期待された部下の考えに、他の人が反対を唱える者がいるとその人らに激怒する。
これを敏感に感じ取った部下らは、反論をしなくなる。
上司は、「反論がでないのは同意見だからだ」とさらに誤認する。
上司が部下に行為を示すと、他の部下から強烈に嫌悪されることに注意が必要だ。
「成功は自分のおかげ、失敗は部下のせい」という堕落権力型の上司
部下に頻繁にメッセージを送って影響を及ぼそうとする、部下の能力を低く評価する、部下と顔を合わせることを希望しない。
部下の業績の高さは自分の指示が適切だったからだ、と言いふらし、自分の影響力を固辞する上司。
部下を命令一つで動かせる魅力にはまり、自分の行為の悪影響に気づかない。
部下より長時間働くワーカーホリック型の上司
デスクに長くいればいるほ仕事ができると勘違いしている上司。「黙って上司が働けば、部下はそれを見習う」と思って行動しているが、実際は、仕事が好きで、その結果会社のほかに居場所がない。
今の時代、上司の背中を見せるだけでは、もはや部下は育たない。
職人肌の上司ほどリストラに遭いやすいことを部下は知っている。
「あんなに一所懸命にやっていても、結局は切られてしまうのか」という、逆の見本になってしまう。
仕事を成し遂げたいという動機のみで行動する達成動機型の上司
達成感を追い求め、本来のやるべきことやゴールを見失っている上司。「会社人間」の典型だと評価され「自分はああいうふうにはなりたくない」と部下から見られてしまう。
リーダーには、部下をマネジメントするという視点から、組織を活かし、部下を活用することが大切だ。
部下が働きやすい状況を作ることも、上司の役割だと心得るべき。
ポストと人格を混同するパワハラ・ボスハラ型の上司
自分勝手に激怒してそれを「愛のムチ」だと美化しても、それは会社において上司が部下に対して権力を持っているからできることにすぎない。
実際やっているのは、部下に対する単なるイジメにすぎなかったりする。
この背景のひとつには、成果主義の導入により、社員同士がライバル意識を強め、優勝劣敗が当然視されるようになったことが、あげられる。
さらに、不況がどん底のときだと上司自身も落ち込んでいて、欲求不満のエネルギーを思うように吐き出せなかったが、景気上向感が出てくると、この欲求不満を特定の部下にぶつけて発散することになるため、パワハラ・ボスハラが起きやすくなるとも言われている。
当然、そのような上司を部下は心から尊敬していない。
職場の雰囲気は悪くなり、活力は失われる。上司がパワハラで告発されるようなことも起きてくる。