セクハラ・パワハラは人権侵害
セクハラ・パワハラは、被害者の人格権(個人の人格に本質的に付帯する個人の生命、身体、精神および生活に関する利益)の侵害として不法行為(民法709条)を成立させます。
加害者は当然に慰謝料などの損害賠償責任を問われ、また、会社もセクハラ・パワハラについては使用者責任(民法715条)を問われます。
使用者責任は、被用者(社員)のセクハラ・パワハラなどの不法行為が事業の執行についてなされた場合に損害賠償責任を負うものですが、事業の執行についての範囲は相当広いことに注意してください。
また、会社は、労働者に良好な職場環境を保つべき配慮義務(安全配慮義務)違反として損害賠償責任を負います。
これらの賠償の内容は単に慰謝料に限らず、セクハラ・パワハラによって会社を退職せざるを得なくなった場合は、賃金の6ヵ月分~9ヵ月分が逸失利益として認められることもあります。
このようなことから、セクハラ・パワハラが判明した場合に被害者が退職しなくともよいような環境を整える配慮が必要とされます