退職勧奨とは,使用者が労働者に対し,自発的な退職意思の形成を促すためになす説得などの行為のことをいいます。
このような退職勧奨は,自由にすることができますが,退職勧奨を受ける側もそれに応じるか否か自由に決定することが出来ますし、退職勧奨に応じる義務はありません。
もっとも,自由に退職勧奨をできるとしても,労働者が自由な意思決定を妨げられる態様の退職勧奨は許されず,説得の回数,説得のための手段・方法は社会通念上相当であることが求められ,その態様が強制的なものや執拗なものである場合には不法行為を構成し,使用者に損害賠償責任を生じさせることもあります。
突然、退職勧奨にあったとしても即決することだけは厳禁です。もし辞めるのにしても、出来るだけ良い条件を引き出して退職することが可能かどうか冷静に考えてみましょう。
その為には、まず考える時間が必要です。相手(会社)は計画的に退職勧奨をしていますが、あなたは突然のことなので、どう対処して良いのか分からなく、動揺してしまうのも当然です。
しかし相手(会社)は、あなたを退職させようとしているのですから、あなたの都合は一切考えません。隙あらば自己都合退職の形に持っていこうとする企業さえあります。そのことを肝に銘じこれらのことに気を付けましょう。
退職勧奨を受けた時に考えること
1、その企業で働き続けたいのか、それとも退職条件次第では辞めてもいいと考えるのか。
2、退職勧奨の理由は、客観的に観て合理的で社会通念上相当なものと思われるか。
3、企業側の勧奨方法は、紳士的なものであったかどうか、高圧的な方法で執拗に退職を迫るものではな かったか。