契約社員とは

契約社員に身分切り替え

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正社員から契約社員へ

同じ会社で、正社員から契約社員へ契約を切リ替えた場合、契約期間をはじめ、賃金や退職金などの重要な労働条件が変更されるという問題が発生します。

賃金については、賃金額だけでなく、賃金全体の中で成果に対応して支払われる賃金の割合や評価方法、翌年以降の賃金額決定のしくみなど、適用される賃金制度が、大きく変わることになるでしょう。
退職金制度を設けている会社では、

1. 正社員としての退職金の計算方法と、支払いの時期

2. 契約社員としての勤続が加算される場合は、その計算方法などを確認する必要があります。

有給休暇付与日数の算定基準となる勤続年数については、実質的に雇用関係が継続した期間が通算されます。

契約社員で同じ会社で引き続き働くといっても、1年ごとの契約更新となるので、正社員として一度退職してしまうと、長期間の雇用の保証はありません。
しかし、それと引換えに、賃金が成果に応じて高く支払われるなどのメリットもあるでしよう。

労働組合への参加は自由

契約社員も正社員と同じように労働組合をつくり、あるいは加入し、または会社と交渉したり、不満な場合にはストライキを行うという権利は憲法で保障されています。

契約社員に適した労働組合

正社員が多数を占める職場において、異なった労働条件で働く契杓社員の場合でも、最近は、契約社員やパートなども含めて組織する組合も増えているようです。
また、職種別、職能別に組織された組合や「ユニオン」などと呼ばれる、個人加入できる地域の合同労組もあります。

正社員から契約社員への打診

正社員から契約社員へ移行するためには、本人の同意が絶対条件になります。

正社員からの身分切替では、およそ、労働条件の不利益変更にあたる可能性があります。

なお、期間の定めのない雇用契約から期間の定めのある契約に変更した場合であっても、変更当初から雇用契約が更新されることを前提としたものであれば、期間満了による雇止めが成立しないと判断されることもあります。

福岡大和倉庫事件 福岡地裁 平成2.12.12

本件雇用契約が期間の定めのないものから期間の定めのあるものに改められている以上、これを期間の定めのない雇用契約であると解することはできないものの、その期間の定めは一応のものであって、単に期間が満了したという理由だけで雇止めになるものではなく、双方に特段の支障がない限り雇用契約が更新されることを前提として締結されたものである。

しかも具体的な労働条件等の内容も長期間雇用が継続されることを前提として協議され、確定されてきたものであるから、・・・従来の取扱を変更して雇用契約を終了させてもやむを得ないと認められる特段の事情が存しない限り、期間満了を理由として直ちに雇止めをすることは、信義則上からも許されない。

職場全体での対応が求められる場合

期間の定めのない契約の労働者を採用することとしていた方針を、有期労働契約の労働者のみを採用する方針に変更することや、期間の定めのない労働契約の代替として有期労働契約を締結することについて、国は法律の主旨に反するものとしています。

身分を正規従業員からパートタイマーに一方的に変更することを、従業員との合意もなく、行うことは困難です。

すなわち、労働条件がまったく異なる正規従業員からパートタイマーへの身分変更は、同一契約の変更というよりも、正社員の契約を解約して、新たなパートタイマーの契約を提示したものとされるので、正社員としては解雇すると考えるべきだからです。

現在の正規従業員としての労働契約を解除する、つまり、「解雇」と考えた場合、従業員の解雇は、客観的に合理的な理由がなく、社会通念上の相当性が認められないものは無効とされています(労働契約法16条)

また、業績不振により、このような身分変更を行うケースは解雇の種類としては整理解雇となりますので、人員削減が必要なほど業績が悪いのかどうか等の要件も問題となります。
さらに、解雇するには、少なくとも30日前に解雇予告をする手続きが必要です。

かなりの業績不振で、今後事業の存続も危ぶまれるという状況であれば、従業員に対して、現在の厳しい状況について経営状況における情報を示したほうがよいと思われます。

従業員に納得性を持ってもらうためには、まず、早期退職の募集、さらに、その二次募集、加えて、社長の役員報酬削減、そして管理職の給与カット、その次に従業員の給与カットという順番を誤らないことです。

その手順を踏んでもまだ危機的状況を乗り切ることができない場合にはじめて、この身分変更(正規従業員からパートタイマーに変更)をしたほうが良いと考えます。

とにかく、従業員からの十分な理解を得る努力が必要です。その際、一方的な押し付けにならないように留意すべきです。

その上で、従業員も、自由意思によって納得すれば、正規従業員の労働契約については合意解約し、パートタイマーとしての新たな労働契約を結ぶことも考えられなくはありません。

なお、仮に合意解約する場合は、それに併せて、通常の解雇の場合よりも退職金の上乗せなど一定の優遇措置を講じることも一つの方策です。

労働者の同意

正社員から契約社員への労働契約の変更は、労働者に重大な影響を及ぼしますので、使用者が一方的に変更することは許されず、十分な話し合いの上、労働者の同意を得ることが必要です。

契約社員になることで賃金が高くなるなどのメリットがあり、自分の意思で判断して同意する
のであれば良いですが、業績不振という背景から、会社側に人件費を減らしたい、人員調整の裁量を増やしたい、という意図での身分変更には要注意です。

長期間の雇用の保証はありませんし、その他の労働条件にしても不利益に変更される可能性のほうが高い。

あなたが高度の専門職であり、それに応じた年収額(高水準の賃金)が保証される」という特
別条件の設定がなされるのでない限り、正社員から契約社員への切替打診には慎重に対応すべきでしょう。

しかし、もし打診されても会社からのお願い(提案)の段階なのですから応じる義務はありません。

正社員からの切り替えでは、およそ、労働条件の不利益変更にあたるケースが多いと考えたほうが現実的です。「正社員への登用」というシステムがあること自体、非正規従業員たる契約社員と社員の違いがあることを表しています。

契約社員になることのメリット・デメリット

●契約社員は正社員と異なる雇用契約を結んだ者
そもそも、契約社員とは厳格な定義はありません。「有期契約」である点を除けば、定義が曖
昧化しています。「非正規従業員」の一類型です。

敢えて言うなら、採用や労働条件が正社員とは異なる雇用契約を結んだ労働者です。
正社員と異なる労働契約を結んだ労働者には、例えば、契約社員のほかにも、パート、アルバイト、準社員、嘱託、非常勤、臨時社員の呼称などがあります。

●休業手当は支払われる
契約社員には、賃金の支払、労働時間、割増賃金、休憩、休日、有給休暇、解雇予告その他労働条件の最低基準を定めた「労働基準法」が全面的に適用されます。
このほか、労働安全衛生法、労災保険法はもちろん、均等法、セクハラ指針などの適用もあります。

むしろ、労働関係法は、契約社員にも適用されるのが「原則」であって、ごく一部に例外的取
扱いを受ける場合もあると理解するのがよいでしょう。

従って会社は、会社都合で休業・自宅待機を命じた場合、6割以上の休業手当を支払う義務があります。
気をつけなければならないのは、契約期間がある場合、お互い勝手に中途解約はできないことです。

有期雇用契約は「やむを得ざる事由があるとき」に限って解約できるのが原則。理由もなく、
勝手な中途解約はできません。

【一般的なメリットの例】
(1)自分の都合(勤務日・時間など)にあわせて働ける

(2)定められた契約の範囲内で勤務できる

(3)高い専門性や、能力を評価してもらいやすい

【一般的なデメリットの例】
(1)昇給・昇進がない場合が多い

(2)賞与・退職金がない場合が多い

(3)正社員に比べて雇用調整の対象になりやすい

(4)長く勤めたとしても契約期間満了で辞めざるを得ないことが多い

労働条件変更の注意点

正社員から契約社員へ労働契約を切り替えた場合、契約期間をはじめ、賃金や退職金などの重要な労働条件が変更されるという問題が発生します。

契約社員では期間を定めて契約することが多いようです。
有期労働契約では、契約期間満了と同時に雇用関係を絶たれる可能性もあります。

●説明を受ける際に注意すること

●契約社員になることのメリット(責任や給与とのバランスなど)

●退職金のこと
退職金制度を設けている会社では、正社員としての退職金の計算方法と支払いの時期、
契約社員としての勤続が加算される場合はその計算方法などを確認する必要があります。

●有給休暇のこと
付与日数の算定基礎となる勤続年数については、実質的に雇用関係が継続した期間が
通算されます。

●契約のこと
1.契約内容を書面で交わす。

2.契約期間をきめて働くのか、その場合、更新はどうするのか、ということが大切です。

【契約の更新について】
有期労働契約のポイント
①更新の有無及び更新する場合の判断基準

②30日前の雇い止め予告

③雇い止め理由の証明書交付義務

④更新後又は1年を超えて継続雇用の場合は「契約期間をできるだけ長くするよう努める」

労働契約で「職種」が限定されている場合は一方的命令では配転できません。
それに関連し、労働契約で勤務場所が限定されている場合も、転勤(異動)には原則として、
労働者の同意を必要とします。

●就業規則のこと
「契約社員就業規則」があってその適用を受けるのか。
あるいは、正社員用就業規則が準用されるのか。
準用といっても全面的になのか、ある部分は適用がないのか。などの点です。

判例 ― 栃木・東武スポーツ事件

●正社員から契約社員化・賃金ダウンなど身分と労働条件の一方的な変更の無効を訴えた裁判
栃木・東武スポーツの裁判で08年3月25日、東京高裁は、
「労働条件変更は経営上の高度の必要性が認められず、手続きも合理的といえず」
「労働条件変更の合意が成立したと認めることはできない」と、
会社側主張を退け、2007年2月の宇都宮地裁に続く原告勝利の判決を下しました。

【一審】
「合意」に関して:
賃金はさほど変わらないとの会社説明や、
契約書にサインしなければ解雇されかねないと原告に受け止めさせた

「錯誤により無効」とし、地位確認・差額賃金支払いなど命じました。

【高裁】
あらためて変更手続きの正当性について判断
口頭だけによる不十分な説明や、キャディ契約書においても賃金やその他の労働条件について具体的な提示がなされていないこと、契約書の提出が契約締結を意味するとの説明も曖昧であった。

合意の「前提となる変更契約の内容の特定が不十分」とし、会社が主張する「合意成立」は「認められない」と断じました。

 

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