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セクハラに対する「必要な処置」とは
職場におけるセクシュアルハラスメント
職場におけるセクシュアルハラスメント(以下セクハラ)は、いったん発生すると被害者も加害者も退職することになりかねない重大な問題です。
まず、セクハラの例を確認しておくと、例えば
- 社員の腰、胸など身体に触る
- 性的な経験を聞く
- 社員に性的な関係を強要したが、拒否されたため配置転換した
などはセクハラにあたることが比較的わかりやすいと言えます。
では、異性の同僚を食事やデートに誘う場合はどうでしょうか。
常識的(平均的な人を基準)に考えて、単に誘うだけでは原則セクハラにあたらないと考えて良いでしょう。しかし、断られても執拗に誘うとセクハラになりうるのです。
これは、相手の取り方、感じ方しだいでセクハラにつながるケースの一例にすぎません。
ある人にはセクハラでなくても、別の人にはセクハラになるということを意識させることも、セクハラ対策の重要なポイントなのです。
セクハラ防止策とは何か?
会社で未然に防ぐ必要あり
そして、以上の点もふまえて、会社は未然にセクハラを防止するための対策をたてる義務があるのです。
法律では(男女雇用機会均等法)、セクハラ防止のための「雇用管理上必要な措置」を講ずることを会社に義務づけて、使用者責任を明確にしています。
この点、以前は、会社は、単に雇用管理上の「配慮」をすることを要求されたにすぎませんでした。
しかし、改正により(平成19年4月1日施行)防止策として実効性のある雇用管理上必要な措置を「講じなければならない」として義務化されたのです。
しかも、この対策を講じることなく、是正勧告に従わない場合には「企業名公表」の対象とされるというペナルティーつきです。
相手に損害賠償を請求
さらに、セクハラの被害者は加害者に対して民事上の責任を追及して損害賠償を請求できるのですが、会社や管理者に対しても同様に責任を追求できる場合もあるのです。事実、そのような裁判例も増えています。
この点でも、セクハラ防止に必要な措置を会社が講じていないと裁判で不利な判決を受ける可能性が高いといえます。
4つの会社がとるべき措置とは
では、具体的に、会社が講じなければならない措置とはいかなるものでしょうか。
実は、厚生労働省から指針として、何をすべきかが示されています。
簡単に紹介すると
- 会社としてセクハラ防止の方針を明確化し、社内報などを配布して周知、啓発する
- 就業規則でセクハラの加害者に対する処分を明確にする
- 相談窓口を設置し、担当者を配置する
- 事実関係を迅速かつ正確に確認するとともに、その事案に適切に対処するなどがあげられます。
以上のことから会社側は必要に応じて対策を講じる執拗があります。
他人事ではなく親身になって対応してもらいたいですね。