毎年、不当解雇や退職勧奨を受けている人は増えてきております。バブル崩壊後の日本はどに向かって行っているのでしょうか。終身雇用の時代は終わりました。新しい雇用形態や法を理解し、自分を守りましょう。
最近の不当解雇事件で会社のやり方で横行しているのは、ロックアウト型の解雇です。
解雇対象者を出社直後に呼び出して、いきなり解雇を通告します。
そして、私物の持ち出しは認めるものの、パソコンなどには一切触らせず即時社内から追い出してしまうものです。
このやり方は外資系企業(特に金融業界)から流行り出しました。ダンボールに私物をまとめさせて立ち退きされたのでは「自分がどういう仕事をしてきたのか」、「自分の評価はどうだったか」。
上司のやり取りなどの証拠を全く確保できないことになります。
労働者にしてみれば、気持ちの整理もつかず、同僚に別れの挨拶もできない、粗暴で衝撃的なやり方です。
後で不当解雇を争うにしても証拠が乏しいと、不利な戦いを強いられてしまいます。
労働者の皆様には、日頃から不当解雇をされた時に困らないように、事前の心構えと証拠保全の確保をしておくことが重要です。
自分は会社に貢献しているし信用もされているから大丈夫などと高をくくっていると、結果的に遅れをとる原因になってしまいます。
日頃から自分のリスク管理をしておくのが賢明です。会社の動向や他の社員が解雇されたなど、アンテナを張り察知するのです。
いつ不当解雇をされても闘えるように、会社案内や自分の仕事内容・自分の成果に関する書類・就業規則・自分の評価書・上司とのメールのやり取り・出退勤に関する書類等をひそかにコピーしたり、USBメモリーに保存したり、自宅にメールしたりして対策をとっておくのです。
常にICレコーダーを内ポケットに入れて全ての会話を傍受して保存しておくのも有効です。不当解雇事件で会社と争う局面になった時に後悔しても遅いのです。
いざ不当解雇事件で争うとなると会社も本気になります。とは言っても、そもそも正当な解雇理由がない訳ですから、全く問題無しとは残念ながらならないのが現実です。
会社は裁判となると、信じられないほどの因縁を付ける主張をしてきます。ある事無い事どころか、無い事無い事のオンパレードです。
まず、因縁の項目が100項目も付けてきたり、「出社時はいつも酒臭かった」、「営業能力が無い」、「いつも居眠りをしていた」、「就業中なのにおにぎりを食べていた」、「就業中に毎日タバコを吸いに20回以上行っていた」などと、いかに被解雇者が社会不適合者なのかを主張してきす。
更には、直属の上司、同僚、部下達は、我が身かわいさで会社のいいなりの陳述書を書くのです。被解雇者がそれを見て「会社はこんなに嘘つきだったのか」、「会社はここまでえげつないことをするのか」と驚きと怒りが込みあげます。
会社の解雇理由の因縁を崩す局面になった時に自分が証拠を持っているか持っていないかでは、裁判でどちらが有利になるかは言うまでもありません。