具体例
セクハラの具体例は以下のようになります。
・ 性的な事実関係を尋ねること
・ 性的な内容の情報(噂)を意図的に流布すること
・ 性的な冗談やからかい
・ 食事やデートへの執拗な誘い
・ 個人的な性的体験談を話すこと
・ 性的な関係を強要すること
・ 必要なく身体へ接触すること
・ わいせつ図画を配布・掲示すること
セクハラは、様々な行為によって行われます。
判断基準
職場におけるセクハラに該当するか否か、「労働者の意に反する性的な言動」の有無、「就業環境が害された」か否かが争われる状況は多様であり、個別の事案に応じて具体的に妥当な判断を行う必要があります。
この点、労働者保護の観点からは被害労働者の主観を重視すべきことになりますが、他方で、かかる判断は会社の法的義務の要件となることから(さらには損害賠償責任の要件となることから(下記「職場におけるセクハラに該当することによる法的な効果」参照))、一定の客観的基準に従うべきこととなります。
一般的には、強い精神的苦痛を伴う意に反する身体的接触であるか等の性的な言動の違法性、性的な言動の継続性・頻度、労働者の明確な抗議の有無、労働者が被った心身の悪影響の重大性、等を斟酌して就業環境が害されているか否かを判断することになります。
また、性的な言動に対する評価は男女間の認識に大きな差異があるため、被害を受けた労働者が女性である場合には「平均的な女性労働者の感じ方」を基準とし、被害を受けた労働者が男性である場合には「平均的な男性労働者の感じ方」を基準とすることが適切であると考えられています。