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不合理な労働条件の禁止

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不合理な労働条件の禁止

同一の使用者と労働契約を締結している労働者のうち、有期契約労働者の労働条件を、期間の定めがあることを理由に無期契約労働者の労働条件と不合理に相違させることが禁止されます。
※平成25年4月1日施行

今回禁止されるのは「有期契約労働者」であることを理由とした労働条件の相違であり、他の事項を理由とした相違は禁止されません。

不合理であるかどうかは、以下の事情等を考慮して判断します。
(1)職務の内容(業務の内容、それに伴う責任の程度)

(2) 人材活用の方法(人事異動の有無やその範囲)

(3)その他「期間の定めがあること」により異なる労働条件とすることが、社会通念上認められる事情があるか

この規定における「労働条件」とは、賃金、労働時間などに限らず、災害補償、服務規律、教育訓練、付随義務、福利厚生等を含む一切の待遇に関する事項を指し、例えば、通達では以下の事項を相違させた場合には不合理であるとされます。
(1)通勤手当

(2)食堂の利用

(3)安全管理上の相違

しかし、通勤手当に関しては、本来労務提供が持参債務であり本来労働者が負担すべきものであることから、それを非正規社員についても会社が負担しなければなくなるというのは、契約の自由に対する極端な制約になり、妥当ではないと考えます。

また、同じく通達では、本条の「不合理」な労働条件に該当すると、本条の効果として労働条件の定めは無効となり、不法行為による損害賠償が認められ得るとするばかりか、基本的には無期契約労働者の労働条件と同じ労働条件が認められるとしています。

しかし、これは絶対に有り得ません。労働基準法であれば、同法が労働条件の最低基準を定めていることから、それ以下の労働条件を定めた場合にはそれを無効とし、労働基準法上の規定を労働条件とする条文がありますが、労働契約法には、そのような条文はありません。

また、「不合理」な労働条件が、民法90条の公序良俗に反すれば無効となりますが、「不合理」が公序良俗違反に該当するとは言えませんので、無効になることもあり得ません。

ただし、本条に違反した場合には、不法行為として、損害賠償請求がなされ、それが認められる余地はありますので、その点には注意が必要です。

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